「塩レモンの完全使いこなしマニュアル」
今回は、塩レモンの作り方と、その使いこなし方をお話していきたいと思います。
塩レモンはモロッコの伝統的な発酵調味料で、クスクスやタジンなどにも使われていますが
世界一簡単な発酵食品じゃないかと思うくらい、簡単にできます。
皮ごと使うものなので、レモンはやはりノンワックスのものがいいです。
国産レモンじゃなくても、スーパーでも最近「防カビ加工してないレモン」売っているところが多いので、できればノンワックスのものを購入した方がよいですが、どうしても手に入らないときは、皮に粗塩を塗りこんでごしごし洗って使ってください。
塩レモンに必要なのは、レモンと塩と瓶だけです。
まず、レモンを8等分の串切りにして、種をとり、白いところがいっぱいあったらとります。
細かく切った方が早く発酵しますが、串切りの方が出来上がりが美味しいです。
切って種を取ったレモンを計って、10%から20%くらいの量の塩を用意します。
少なすぎると水分があがってこなかったり、日持ちがしなかったりするし、多すぎると日持ちはするけどしょっぱすぎるしで、私は15%くらいの塩で作る時が多いんですが、すぐ使い切ろうと思うときは10%、日持ちさせたいときは20%にしてます。
今回は20%で作ります。市販のものはもっと塩っぱいです。
いっぱい仕込んでもいいですが、今回は、レモン1個。
切ったレモンが150gだったので、お塩は20%の30g用意しました。
瓶に最初に塩を入れ、レモンを入れ、塩を入れ、と繰り返し上に塩で蓋をすればOK。
できればぎゅうぎゅうの方がいいです。あとでどんどん小さくなっていきます。
あとは塩がたまっているので、溶けるまで一日一回ふるだけ。
1週間目安ですが、夏だと3,4日で溶けてたりします。
(ふらないと、塩は一生溶けず、いつまでも出来上がりませんので、これだけ忘れずに。)
塩が溶けたらもうふらないでいいので、室内にそのまま放置しておいてください。
(もし、塩がとけて3日くらいたっても水分が1センチ以上上がっていなかったら、3センチ高さくらいまで、レモンの絞り汁か10%の濃度の塩水を足してあげてください。)
そして1ヵ月くらいたったら、フードプロセッサーとかバーミックスで攪拌。
道具がない人は、包丁で細かく叩けば、出来上がり。
1か月と言いましたが、発酵食品なので、できれば3か月くらい、じっくり時間を置いて熟成させる方がやはり美味しいです。
時間かかるけど、塩とレモンだけなので、数年もちます。
モロッコの梅干し的なものですね。
実際ちょっと梅干しっぽい味わいもあります。
作り方は簡単なので、5、6年くらい前流行ってた時は、周りでもけっこう作られてた生徒さんも多かったんですが、作ったはいいもの、どうやって使えばいいのかわからなくてそのまま冷蔵庫で5年くらい眠ってるっていう話もききます。
教室でも使うときにもよくお話してるんですが、塩レモンは、レモンと思うと使いにくいけど、爽やかな塩と思うと使い勝手が無限に広がるんです。
なめてみるとわかりますが、想像よりしょっぱいです。
酸味より塩けが勝ってます。
もはや塩と思ってもいいくらいなんです。なので、塩の代わりに使ってください。
発酵食品なので、具材が少なくてもお料理に深みを出してくれます。
ちなみに私は、塩レモン焼きそば、塩レモンチャーハン、塩レモンペペロンチーノ、そうめんのつゆ、キャベツ炒め、牛タン炒め、などあらゆるものに使っています。
焼き鳥に塗っても、チキンや白身魚のソテーに添えても、羊と煮込んでも美味しい。
塩とレモンが入っているから、ここに油を入れるだけでドレッシングにもなります。
クリーム系のパスタや、グラタンのベシャメルソースに入れると、クリームのしつこさや重さが軽く爽やかになって美味しいんです。
今日紹介するのは、混ぜるだけのこちら。
「塩レモン胡麻味噌ディップ」
サワークリーム(なければ水切りヨーグルト)大さじ2、西京味噌・練り胡麻各大さじ1、塩レモン小さじ1/2、七味唐辛子適宜
※塩レモンない方は、叩いた梅干しを代わりに入れてもできます。
塩分濃度高い梅干しを、少し塩味の調節をしながら混ぜると、爽やかな梅風味ディップになります。
味噌と塩レモンとヨーグルトというトリプル発酵食品効果で深みがあって、バーニャカウダ風にスティック野菜につけると、止まりません。
クラッカーやバゲットにつけても美味しいですよ。